私は2004年9月25日に井の頭公園内でナガサキアゲハを始めて確認しました。このチョウもツマグロヒョウモンと同じく、以前は関東では見られない南国のチョウだったので、「ついに井の頭公園にも現れたのか。」と夢中で写真を撮りました。

東京でナガサキアゲハが見らるということは当時はニュースにもなる出来事だったので、新聞記事になったりもしました。

また、温暖化とナガサキアゲハの北上の関係を検証したレポートも発表されました。
温暖化ウォッチ(14)チョウの分布域北上現象と温暖化の関係 (nies.go.jp)
その後ナガサキアゲハは、井の頭公園内でもすっかり定着し普通種になり、園内での繁殖も確認しました。


▲園内で交尾するナガサキアゲハのペアと園内のミカンの樹で育つ幼虫
ところで、ナガサキアゲハは、とても大きなアゲハチョウの仲間ですが、オスとメスの翅の模様がかなり違い、メスの方が目立ちます。また、尾状突起がないという、アゲハにしてはちょっと特殊な形をしています。



▲ナガサキアゲハのオス 表から見るとほとんど真っ黒、下翅の裏にかすかに斑紋がある。
この尾状突起のないナガサキアゲハをすっかり見慣れたころ、さらに驚く情報が入りました。
2018年、親交のあるチョウ愛好家の方が、なんと尾状突起のあるナガサキアゲハを井の頭公園で見つけられ、写真を送ってくれました。許可を得て私個人のブログで紹介したところ、もう一方、井の頭で写真を撮っている方が、2017年の写真も提供してくれました。


▲2017年、2018年に井の頭公園内で撮られた尾状突起のあるナガサキアゲハ
有尾型は、とても派手で、いかにも南国のチョウという印象です。この尾状突起も、メスだけに現れるそうです。
このタイプのナガサキアゲハは、東南アジアなどの南方に多く、日本では少ないらしいのですが、それでも時々関東地方でも見られる例があるそうです。(その後有尾型が井の頭公園にいるという情報は耳にしていません。)
有尾型は、ツマグロヒョウモンと同様に、ベイツ型擬態によるもので、モデルは南国のチョウ、オオベニモンアゲハと言われています。これに対して今関東地方に生息している尾状突起のないナガサキアゲハは非擬態型というそうです。
オオベニモンアゲハは見たことがないので、参考までに南西諸島で撮ったベニモンアゲハ(これも毒蝶)を掲載しておきます。


ちょっとジャコウアゲハ(毒蝶)とモンキアゲハが混ざったような感じですね。
今後、この有尾型のナガサキアゲハが井の頭公園に定着するような状況になるのでしょうか。
文責:takaku





















