「キンクロハジロ」タグアーカイブ

45年前のキンクロハジロと餌やりについて

私が子供のころの井の頭池にはキンクロハジロはいませんでした。

1977年9月11日に、私は双眼鏡を持ってお茶の水池周りでバードウォッチングしていたら、初めて見るカモが1羽いました。

「なんだ!こいつは!珍鳥に違いない!」私は大興奮で家まで走って戻り、おじさんのカメラを借りて、また走って池に戻り、撮影したのが下記の写真です。

フィルム時代の当時は、現像されて撮影結果を見るまでに数日かかりました。今のデジタルのスピード感に比べると「遅くて不便な時代だった」とも言えますが、出来上がってくるまで「あの珍鳥、ちゃんと写ってるかなぁ・・・?」というワクワクが楽しめました。

それで、現像から戻ってきたこの写真を、すぐに、私が当時所属していた武蔵野野鳥クラブの講師だった安西英明先生に見せました。

「これ、井の頭にいたカモです!なんでしょうか!?」という私に、安西先生は「あぁ、キンクロハジロね、不忍にいっぱいいるカモだけど、井の頭では珍しいね」というような返答でした。

「なんだ珍鳥じゃないんだ・・」と、がっかりしたのを覚えています。

井の頭池ではその後キンクロハジロが増えて、そして「餌やり自粛キャンペーン」(2007年~)のあとに減っていき、現在は毎年20~30羽が飛来して定着している状態です。

不思議なのは、この45年前の当時、井の頭でも不忍でも餌やりしているのに、不忍にはキンクロが大量にいて、井の頭にはいなかったっことです。

井の頭では七井橋のお茶屋さんではコイの餌が売られていました。みんな七井橋から池に餌を投げ込んで、そうすると濁った水面から巨大なコイの口が突然現れて、バクッと餌を飲み込む光景が思い出されます。コイの餌を横から頂戴していたカモは、カルガモやオナガガモでした。(カイツブリもパンなど啄んでいました)

それから、当時カイツブリの繁殖を観察していると、クチボソの幼魚とともに、透明な川エビもたくさん雛に与えていました。キンクロハジロが餌とするものとして、人が投じる餌と天然の餌、どちらも豊富にあったはずですが、キンクロがいなかったのです。

どういう理由なのか?私にはさっぱりわかりません。

「餌やり自粛キャンペーンをやったらカモが減った」これは説明しやすいですが、「餌やっていたのに井の頭にキンクロがいなかった」というほうは、なかなか科学的に説明できないことですね。

そういう意味では、当時井の頭にコゲラ、アオゲラはまったくいませんでした。それが最近では普通に見られるようになったのは、餌が増えたから、ではなく、別の理由であろうと思います。増えた、減ったというのは、餌との関係も一因でしょうし、それ以外の理由も複合的にあってのことだと思います。

suzuki