私は2017年と2018年の2年間、奥多摩など東京山間部で夜間の鳴き声調査を行いました。
調査はミゾゴイ、フクロウ、アオバズク、オオコノハズク、コノハズク、ヨタカなど、夜間にさえずる鳥類を対象種としたのですが、思わぬ副産物として、夜間にアカショウビンやヤイロチョウの声が録音されるケースが何度かありました。
アカショウビンもヤイロチョウも、基本習性は日の出時刻がさえずりタイムです。しかし、5月20日前後の飛来期には夜中にも鳴きながら飛んでいることがわかりました。夜は静かなので、朝や昼より声が良く聞こえる時間帯です。飛来期に繁殖する相手を探しながら徘徊しているのではないか?婚活飛行ではないか?と私は想像しています。
婚活飛行であることの証明は、なかなか難しいのですが『5月20日前後に、夜中に鳴きながら飛んでいる』というのは紛れもない事実で、山間部では2年連続でヤイロチョウの声が録れた地点も何か所かありました。
その後2019年からは公園管理者の許可をいただいて、井の頭で365日の録音調査をやっています。タイマー録音の設定は日の出前2時間、日の出後2時間くらい、鳥のさえずりタイムを中心にどんな鳥が鳴いているのかを調べています。
普段は1日4時間録音くらいを目安にタイマー録音をしているのですが、5月20日前後に日没から日の出まで長時間録音をすれば井の頭でもアカショウビンやヤイロチョウが録れるのではないか?と考え、2020年から、この時期には一晩中録音に切り替えています。
それで、録音できたのが下のアカショウビンとヤイロチョウです。


録音調査では、データの全部を耳で聴いてチェックすることは時間的に無理で、パソコンで上記画像のようなスペクトログラム表示にして、目で鳥の声を探します。
アカショウビンの「キョロロロロ・・・」や、ヤイロチョウの「ホーヘン ホーヘン」の波形は、奥多摩の録音で何度も見ている波形ですが、井の頭公園での録音の中にこの波形を見つけた時には、心の中で「キターーーーー!」と叫びました。そして、その部分を再生して声を確かめて、ふたたび「よっしゃーー!」と心の中で叫びました(笑)。
ちなみに、奥多摩でのアカショウビン、ヤイロチョウの記録は沢のある場所がほとんどでした。(一か所だけ、山の尾根線でヤイロチョウの声が録れた例もありました)。井の頭公園でこれらが録音できたのは、玉川上水の連続する水と緑の環境が貢献したのではないか?と考えています。
このヤイロチョウの声の記録は、ヤイロチョウの本場、四万十川で研究と保全活動をされている(公財)生態系トラスト協会の皆さんにも聞いていただきました。本場の皆さんからも『都市の真ん中を飛んでいくヤイロチョウの記録として貴重である』とコメントをいただきました。
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