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ヤブガラシと昆虫

「ヤブガラシとアベリアが一株あれば、たくさんの昆虫が見られるよ。」と、私が小学校の教員をしていたとき、研修会で教えてもらった印象的なことば。その後の井の頭公園での昆虫観察で実感しています。

例えばチョウのアオスジアゲハは、ヤブカラシの花がとりわけ好みのようで、6月~9月ごろまでたびたび訪れるのを目にしてきました。足場がよくて、蜜をすいやすいからかもしれません。

▲ヤブカラシの花の蜜を吸うアオスジアゲハ

アオスジアゲハばかりでなく、ほかのチョウやガもよく来ます。

ヤマトシジミやモンシロチョウも来ていました。

ハチの仲間もたくさん訪れます。ハチは動きが速くてなかなか捉えられませんが、花の蜜を吸っているときはチャンスです。ヤブカラシの花で待っていれば、かなりの種類のハチを観察することができます。

チョウやハチを撮っていると、さらにいろいろな種類の昆虫が目に入ります。

もし、じっと動かない昆虫がいたら、よく見てみると天敵に襲われた個体であることが多いです。アズチグモやムシヒキアブ、オオカマキリなどの捕食性の虫たちは、昆虫がたくさん集まる場所で狩りをすることが多いです。

ヤブガラシには、花ではなく、葉を食べる各種の昆虫やその幼虫も見られます。

このように、ヤブガラシは実に多くの昆虫とつながっている、昆虫の多様性を保証している植物だと言えるでしょう。

しかし、ヤブカラシは繁殖力が強いつる性植物で、庭や公園では植栽の植物を覆いつくし、樹勢を弱らせると考えられています。これが繁茂している場所は、管理されていない荒れた場所と思われやすいです。

実際に、大事な植栽を守るためにヤブガラシを刈り取るのはやむおえないとは思います。しかし、単に景観的に見栄えが悪いというだけだったら、たくさんの昆虫たちのためにぜひ刈り残してほしいと思います。それが生物多様性を保全する手立てになるはずです。

文責:takaku